ドローイングコーステキストの一部をご紹介いたします。

5.    ネガティブスペース

多くの場合、芸術における主な関心は対象物にあります。それ故に、モチーフを選びそれを観察し描くことでおそらく全てを満たし、その過程を完了してしまいます。しかし、私たちが全てと考えている時、私たちが気付いているのは、芸術となりえる部分の50%位に過ぎません。残りの半分にあたるのは、芸術用語で“ネガティブスペース”として用いられる“対象物以外の部分”なのです。芸術における全てとは、この概念では現実的にも、哲学的にも様々な段階があります。二次的なものとして捉えるより、むしろ視覚的分野と芸術的意識の両方を根本的な重要性のしるしとして、早い段階で取り入れるべきです。

ネガティブスペース

実際には、ネガティブスペースとはモチーフを取り囲む空間の形を指します。下記のイラストを使い説明しましょう。

     

ネガティブスペースは、“開いているもの”と“閉じているもの”に分けることができます。イラストの“A”の部分は、閉じたネガティブスペースですが、“B”、“C”、“D”は、開いたネガティブスペースです。“B”は、サポートとしてペンシルを使用することによって視覚的に閉じた形になります。 [注意: サプリメンタルレッスン#6では、サポートツールとしてペンシルを使用した様々な方法を紹介します。]

モチーフの周囲に形作るネガティブスペースに気付くことは、みなさんの観察能力の力と正確さを直ちに上達させます。モチーフに取り組んでいる時にも、それと同じくらいネガティブシェイプに注意を払うように習慣づけましょう。例えば、上のイラストの“B”の形を見ると、バラの棘やイルカの背びれのような何かの形に見えませんか?

人間の手のような複雑な物を描く場合、そのような形に気付くことがどれだけの手助けとなるのか想像できるでしょうか? 指だけを見ている方が 、その周りの形も見るより簡単でしょう。しかし、ネガティブシェイプは、指の正確な配置を得る機会を2倍にする強力なチェック方法なのです。



ネガティブスペースを意識して組み合わせたモチーフや石膏をスケッチします。興味深いネガティブシェイプやネガティブスペースを形作る組み合わせのモチーフを選び、それらの形をスケッチの調節をする助けとして使用しましょう。有効なネガティブシェイプを明確にするサポートとして、垂線やペンシルを使用してみましょう。